to Madrid

マドリードの空港からバスで市内に着いたのは、夜の9時を過ぎていただろう。
成田から十数時間の飛行だったが、それほど疲れてはいない。
広場のようなところだったが、周囲を歩き、Hostalの看板を見つけた。

中に入ると、おかみさんが出てきた。
小柄で年のわりにはチャーミングな女性だった。
「今晩、部屋がありますか。」
「あいにくだけど、空いてないのよ。」
私が引き返そうとすると、「ちょっと待って。」と呼び止めた。
この夜中に追い返すのは忍びないと思ったのか、どこかに電話をかけていた。
「泊まれるところがあったわ、ちょっと待っててね。」

しばらくすると、道案内の若者に連れられて、裏の方にあるビルに案内された。
上の階に上がり、ひとつのアパートメントに入ると、老婆が迎えてくれた。
廊下の両側に部屋があり、その1室が私のヨーロッパ初めての宿になった。

登山用のザックに入れた荷物を整理していると、30代くらいの女性が入ってきた。
パスポートを渡すと、宿帳に記入するのだろうか、持って行った。
まもなく返しにきたが、パスポートの年齢と私の見かけが一致しないようで、まじまじと私を見つめていた。
家族で住んでいるアパートメントのようだ。
空いている部屋を、あのHostalのおかみさんの紹介で貸しているのだろう。

アパートメントと部屋の鍵を貸してくれたので、滞在中は、自由に出入りできた。
出かけて帰ってくると、斜め向かいの部屋にいるおばあさんがすっと出てきて、部屋の鍵を開けておいてくれた。
鍵を使うまでもなかった。
スペイン語は単語を少し知っているだけなので、話すことはなかったが、なんだか家族の一員になったような気がした。

マドリード市内の写真

マドリード市内

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