カテゴリー別アーカイブ: Central America

Mundial

その年、アメリカでサッカーのワールドカップが開かれていた。

サンホセの繁華街の路上では、電気店のテレビに人々が群がって見ていた。
広場では、人々が輪になってボ-ルのリフティングをしているのをよく見かけた。
通りすがりの人が気軽に出たり入ったりしていたようだ。
女の子もやっていたが、あまりうまくはなかった。

ボゴタでは軽食や飲み物の昔ながらの店が多い。
そこを覗くとテレビを観戦する人々で満員だった。
昼の休憩時間には、労働者がボールを蹴りあっていた。
街ではサッカーボールの絵と、Mundial(ワールドカップ)という単語があちこちに書かれていた。
コロンビアは予選リーグの突破を期待されていた。

帰途、サンフランシスコに滞在していた時だ。
ホテルのテレビが、コロンビアのオウンゴールを繰り返し放映していた。
その異常さに気付き、注意して見ると、オウンゴールした選手がコロンビアに帰国後殺されたようだ。
そのオウンゴールで試合に負けたとはいえ、射殺とは・・・。
賭けに負けたマフィアのはらいせだったようだ。
数年前には、大統領選挙の候補者が演壇で麻薬マフィアに射殺された国だ。

コロンビアの人々の、人なつっこい顔を思い出していた。

サンフランシスコのピアの写真

サンフランシスコのピア

children in Bogota

中南米では働く子供たちをよく見かけた。
みな学校に行く年齢だが、家計を助ける方が大事なのは言うまでもない。

グアテマラの空港に着いたのは、朝5時だったが、ロビーにでると靴磨きが寄ってきて、磨かせろと言う。
子供たちもたくさんいたのに驚いた。

グアテマラ市内の食堂で夕食をとっていると、11,2歳の少女が店に入ってきた。
少女は、前に下げたかごに商品を入れてテーブルを回り、買ってくれる客を探していた。
日常の光景らしく、客も食堂の人も気にしないようだ。

ひとつのテーブルに男が二人、少し酒も入っていたようだ。
このろくでなしどもが、少女をひきとめて、いろいろ言っていたようだ。
近くの女性客が、食堂の人に知らせに行き、少女をそのテーブルから解放してやった。
わたしもなんとなく状況がわかり、少女を守ろうとする人々にほっとした。

子供の商売で多いのは、少年は靴みがき、少女は物売りだろうか。

ボゴタの下町でも、そんな子供たちがいた。
まだ10歳にもならない少年が、路上に座って、通行人に声を掛けていた。
わたしは、主人同様旅に疲れた靴を磨いてもらうことにした。
「アマリーヨ? カフェー?」と2度聞かれて、
やっと靴墨の色を聞いているのに気が付いた。
茶色の靴なので、明るい色(黄色)か暗い色(コーヒー色)かと言っていたのだ。
「カフェー」と言うと、小さな手で一生懸命靴を磨いてくれた。

ボゴタを離れる前にも、再び来てみると、別の少年と一緒に座り込んでいた。
もう一人の少年は慣れないらしく、太った元締のような男から小言を言われていたようだ。
前に磨いてもらった少年の前に靴を出し、「カフェー」と言った。
元締の男は客が来たので、少年たちから離れて行った。
叱られていた少年は、やりきれないような顔をしていた。

靴が磨き終わると、私は少しチップを上乗せした金額をわたした。
少年は嬉しそうに笑い、わたしは手を差し出して握手し、「グラシャス」と言った。

わたしは、この少年たちが大きくなって、ギャングやゲリラになっても少しも驚かない。

朝のボゴタ市内の写真

朝のボゴタ市内